卒業生紹介

日本で成功した課題解決の“仕組み”は
世界を席巻する力を持っている

鹿野 佑介 さん

アジア太平洋マネジメント学部(APM、現国際経営学部)2010年卒業
一般社団法人日本ケアテック協会会長・株式会社ウェルモ取締役会長
東京大学 高齢社会総合研究機構 共同研究員

世界に先駆けて「超高齢社会」に突入した我が国では、介護ケア事業における業務効率化や人材確保、社会保障体制の見直しなどが急務になっています。
私は2010年、APUアジア太平洋マネジメント学部(現:国際経営学部)を卒業後、IT系コンサルティング会社に2年ほど勤務した後、ICTによる介護ケア事業の効率化や質的向上を目指すウェルモを創業。2020年には、テクノロジー活用によって介護福祉事業のあり方を変革しつつ、その重要性を政府や自治体などにも提言・啓発するため、日本ケアテック協会を設立しました。
介護福祉事業に目を向けた直接のきっかけは、ボランティアに出かけた高齢者介護施設で、業界が抱える根源的な問題を目の当たりにしたことですが、APU在学当時に学んだ「主体性を持つ」ことの重要性が、起業に向けた意欲を強めてくれたように思えます。
介護福祉事業は労働集約型産業の典型であり、どれだけ頑張ったとしても給与は変わらない、“頑張り甲斐”の少ない職場です。「だったら、自分が何とか出来るのではないか」と決心できたのは、APU在学時、「主体性を持って動く」ことの重要性を痛感したからだと言えるでしょう。
在学時、比較的大人しい日本の学生に対し、周囲の留学生たちはハングリーなほどに動き、学び、意見を述べていました。そうした“馬力”に刺激を受け、私も金融論のゼミで学んだことをベースに、「APUインターナショナルインベスターズ」という投資のサークルを設立。日銀とコラボして教材提携を受けたり、地元高校に出前授業に出かけたりと、非常に活発に動きました。APU側も応援してくれて、課外活動の奨励賞を頂いたことを覚えています。
日本ばかりではなくヨーロッパの複数の国でも、少子高齢化が深刻な社会問題として取り上げられています。高齢者比率世界一の日本で、介護福祉を安定的に運営できる“仕組み”を構築できれば、そのシステムやノウハウは世界のモデルケースとなり、国際貢献にもつながるはずです。
大学卒業後、海外で活躍したいと考えている学生は少なくないでしょう。そのために語学力を高めるのはもちろんですが、何よりも大切なのは、様々な国・地域の歴史・文化、政治的状況などを正しく把握し、包括的な視点から課題解決に向けた取り組みを考える姿勢です。
APUには、色々な国の人たちと出会い、国ごとの考え方の違いなどを知れる環境があります。勉強して、卒業して、安定した会社に入ればOK…というのは、あまりにも勿体ない。様々な可能性と選択肢を自分の中に持ち、失敗を恐れずノー・ブレーキで突っ走り、自分らしい生き方を目指して下さい。