QUESTION 多文化環境で生まれる
新たな「問い」

多様性と多文化が日常にあるAPUでは、それまでの常識や考え方が一変することも。
モヤモヤしたり、疑問に思ったりしたら、それがチャンス!
新たな「問い」が生まれ、課題解決への一歩になります。

Q1. 自分の常識が通用しないと
感じた経験がある。

2024年2月16日アンケート 133人回答

2024年2月16日アンケート 133人回答

Q2. APUに入学してから生まれた疑問やモヤモヤ、新たに気づいた社会課題、
今までの常識を変えた出来事や経験があれば教えてください。

  • 日本と海外の就職活動に
    違いはあるの?

    アジア太平洋学部 2回生 稲村 龍伏

    一番自分の中の常識が覆ったのは、ギャップイヤーについてです。今まで私はそもそも大学で休学という選択肢を取ることはあり得ないと思っていました。インターンやボランティアに積極的に参加するなどのために大学を休学することの理解ができず、正直、「休学とか結局その人のわがままであって甘えでしょ」なんてことも思っていました。しかし、APUにきてから、実際に休学する友達や先輩も数多くいるのを目の当たりにしました。また、国際生から聞いたところ他の国では就活を大学卒業後にやる国がほとんどであるということも分かり、今までの自分の視野がとても狭かったのだと実感しました。

    これを踏まえると、日本の就活システムに疑問を抱きかねません。一般的に日本での就活はだいたい3回生の後半~大学4年にかけて行われると思います。就活が早めに終わると卒業のために単位の埋め合わせとして何となく授業を取ることに終わります。大学に熱意をもって入学し、学費も払っている以上、本音ではしっかり4年間十分に学びきったところで就活をしたいところですが、そうはいかないのが現状です。大学の3年もない中で、就活にしっかり備えられるほどの経験を積んだり、スキルを身に付けたり、あるいは「自己」を確立させたりすることはなかなか難しいと思います。日本の就活システムでは、もはや、ギャップイヤーを取ってボランティアなどの経験を積む中で自己分析をする時間を十分にとるということをした方が賢明であるとさえ思ってしまいます。

    私を含め、経済的要因など様々な理由でギャップイヤーを取れない人もたくさんいると思います。また、日本の就活システムを根本から変えることはほとんど不可能に近いでしょう。そこで少しでも日本の就活に早めから備えることができるように、私は現在WANTTOという自己分析の啓発団体に所属しています。1,2回生の内から将来の見通しを立てやすくすることができるようにイベントを開催するなどして、少しでもAPU生の役に立てればと思い、活動をしています。

  • 国や文化の違いで起こる
    社会問題って?

    アジア太平洋学部 1回生 新井 凜子

    APUに入学してから、異なる文化や価値観に触れる中で、多くの疑問やモヤモヤが湧き上がりました。言語や習慣の違いが新たな視点をもたらし、異なるバックグラウンドを持つ仲間たちとの交流を通じて、自身の視野が広がっていることを感じています。

    特に新たに気づいた社会問題は、環境問題に関するものでした。異なる国々での習慣や政策の違いが、地球全体に及ぼす影響について考えさせられました。持続可能な生活と環境保護の重要性を理解し、その意識を行動に移すことが求められていると思います。

    さらに、国際生との協働経験が、私の常識を変えました。異なるバックグラウンドを持つ人々との議論やプロジェクトの遂行を通じて、自身の固定観念や偏見に気づき、柔軟な思考を身につけることができました。これは、将来の国際的なビジネス環境での成功に向けて貴重なスキルになると考えています。

    国際的な大学生活は、新たな視点を得ることによって私をより柔軟性の高い人間に変えつつあると思います。地球規模の問題に対する意識や、異なる文化との共生に向けた努力が、これからの社会でより重要となることを痛感しています。

    国際生との協働を通じて得た新たな視点から、私は環境問題に積極的に取り組んでいます。自らのライフスタイルを見直し、廃棄物の削減や再利用に重点を置き、地球への負荷を軽減するよう心がけています。また、大学内で環境に関するプロジェクトに参加し、啓発活動や持続可能なイベントの開催に協力しています。

    異なる文化との共生を意識し、対話と理解を深めるため、留学仲間と共同で異文化交流のプログラムを企画しています。これにより、異なるバックグラウンドを持つ学生たちがお互いを尊重し合いながら、共通の目標に向けて協力できる環境を構築しています。

    さらに、ビジネスにおいても異文化コミュニケーションの重要性を理解し、異なる国々とのビジネスプロジェクトに積極的に参加しています。柔軟な思考と協力精神を活かし、異なるバックグラウンドを持つメンバーと協力して問題解決に挑戦しています。これらの経験が、将来の国際的なビジネス環境でのリーダーシップに向けて私のスキルと視野を拡げています。

  • フードロスについて
    国際学生と話してみると…

    アジア太平洋学部 1回生 小田 成穂

    国際生とフードロスの食材をどう活用していくのかについて議論していた時に、私の考えでは、フードロス(農作物が傷んでいて出荷できないもの)の食材を新たな食品にして商品化するという考えでしたが、国際生の考えでは、なぜ傷んでいるフードロスの食材を商品化して販売するのかが意味が分からないという考え方でした。相手の考えの理由を尋ねてみると、相手の国では個人が販売するのは禁止であるし、傷んでいる食材でつくったものを売るのはありえないからということでした。一方で、他の国際生にも個人販売は可能であるか聞いたところ販売は可能であると答え、私の考え方にも賛同してくれました。私はこの体験をして、文化的背景で考え方も左右されるのだと感じました。

    私は、国の文化を知ることにより興味を持つようになりました。日本と比べて、その国との相違点や類似点を探るようになり、また文化体験にも参加するようになりました。

  • 日本人って自分の国を
    ちゃんと理解している?

    サステイナビリティ観光学部 1回生 亀井 郁美

    私が、apuに入学して新しく気づいたことは、日本人は、自分の国のことをあまり理解していないということです。大学で、国際生に対して、あなたの国はどういう国なの?という質問を投げかけた際に、ほとんどの国際生が戸惑うことなく説明してくれます。一方で、私は、同じような質問をされた際に、うまく答えることができませんでした。また、国際生たちからも、日本人は、自分の国の歴史や政治に対してよく知らないよね。と言われることがあります。グローバル化が進んでいる中で、国際的な教育が注目され、国外に目を向けることで、自分の国について知るということが、陰になってしまっているのではないか、ということに気がつきました。

    上記を踏まえて、私は、日本のことについて勉強するべきだと考え、積極的にニュースを見たり、日本の政治や歴史について学ぶことのできる講義を受講したりしています。自分の国についてよく知ることは、将来私が海外に留学した際に、自分は日本人であるというアイデンティティの確立につなげられると考えています。また、自分の国について知ることが、グローバル化が進んでいく社会についていく第一歩だと考え、行動しています。自分の国について知った上で、他の国の歴史を学ぶことで、文化的な背景を理解することができれば、文化の違いに対して寛容になり、外国人に対する差別などの根本的な解決につながるのではないかと考えています。

  • その“常識”だけが
    正しいとは限らないんだ!

    アジア太平洋学部 3回生 月岡 詩織

    授業のグループワークを通して国際生と関わるようになり、日本で生きる中で当たり前だと思っていた時間や締切を守る文化がそうではないことに気づき、衝撃を受けました。また、宗教の影響で友人とご飯に行く際の場所や時間も制限されることも初めての経験でした。社会問題的には、複数の東南アジア出身の国際生が自国を問題を抱えた途上国、日本をアジアの先進国として見ていることを感じたほか、国内情勢が不安定な国の学生も在籍しており、社会情勢をより身近に感じています。例えば、複数のインドネシアの学生が自国経済の急成長と環境汚染を話したほか、ミャンマーでクーデターが起きた際、ミャンマー出身の学生が抗議運動をSNS上で行っていました。

    時間間隔の違いには、グループワークのたびに何度も同じような経験を繰り返すことで自分の考えが全てではないことを認識できるようになり、イライラしたり悩むことはなくなりました。個人的には、同じ時間に他にできることを用意し対処しています。宗教面では、ムスリム学生とはハラル料理のお店に行ったり食べられる食材のみの料理をするようになったほか、ラマダン期間は日中は彼らの前での食事を避けています。また、社会問題に関しては、今まではニュースで見ても「外国のこと」という印象しか抱きませんでしたが、今では「友人の○○の国でのこと」という認識に変わり、機会があれば深い問題であってもその国の学生の見解を質問し議論するようになりました。

  • 相手の見た目で
    国籍や性別を決めつけてない?

    アジア太平洋学部 2回生 田隅 千晶

    見た目だけで相手の国籍や性別を判断してしまうこと。例えば、「恋人いる?」はなく「彼氏/彼女いる?」(相手が異性愛者であると勝手に決めつける)、「お兄さん」「お姉さん」などと呼ぶ(相手の性自認をよく知らずに決めつける)、日本人らしくない顔立ちをしている人に対して「日本語上手だね」(相手は""外国人""だと線を引く)、中文を使用している人に対して「ニーハオ」と悪意なく声をかける(出身地を一括りにしたり、政治的に敏感な国・地域の区分の配慮をしない)など。

    またAPUでは、生まれた場所と育った場所が異なること、休学等で大学を4年以上通うことなども当たり前で、"自分と違って当たり前"という考え方があります。

    APUに来てから、「外人」ではなく「外国人」、「日英2カ国語」ではなく「日英二言語」など、自分の使う言葉で誰かを無意識に傷付けたり排除しないよう気をつけるようになりました。また国籍や性別ではなく"個人"として相手と接し、〇〇人だから、などのステレオタイプを当てはめないように心がけています。自分と違う生い立ちや考え方を持っていることを素敵だと思え、むしろそこから学びや良い刺激を得られるようになりました。またAPUで経験する沢山のグループワークを通し、異なる出身地や宗教によって上手くいかないことがあっても、協働することを諦めず「どうしたら互いが理解できるか」と解決策を考えるようになりました。

  • 一人ひとりが考える
    平和って何だろう?

    アジア太平洋学部 4回生 渡邊 宏太

    一番衝撃だった出来事は、国際学生と現在世界中で起こっている紛争について話していた時です。突然、いま起こっている戦争についてどう思っているかと聞かれました。私はその友人に対してどのように答えればよいか困惑して、唯一絞り出せた答えが「平和的」に解決してほしいねということでした。その答えを聞き、友人は「なるほどね」と少し納得した後、私に対して、「その『平和』というのは誰に対しての平和なの?」と聞き返してきました。その体験は、世界はどの角度から見るかによって見え方が違うということを、体感した瞬間でした。同時に普遍的な価値観などが存在しないという私の認識論自体を大きく変えた出来事でした。

    私はこの体験を機に、将来のキャリアを考え直しました。APU卒業後は大学院進学を考えており、その後のキャリアは大学院で身に着けた専門性を活かして国際NGOなどで働きたいと考えています。「開発」というのは、ある意味で提供者の価値観の押し付けであるという批判から、私も当初は現在世界で行われている「開発」に対して疑問を抱いていました。しかし、自分なりの「正義」を持つことも重要であると、その出来事を通して学びました。世界には多様な「正義」がある。そのことを理解したうえで、自分なりの正義感を持ち、世界中で起こっている問題に対して、自分自身の身体を使って解決を図っていきたいと考えるようになりました。

  • 世界中の宗教にも
    いろんな
    文化があるんだなぁ

    アジア太平洋学部 1回生 岩切 春菜

    ある日、イスラム教の友達に焼きそばを作ってほしいと頼まれました。私が買い出しに行ったのですが、豚はもちろんソーセージやベーコンなどの加工肉にも豚が含まれているため買えませんでした。結局、シーフードミックスを買って友達の家に向かったところ、ヒンズー教の友達もそこにいました。ヒンズー教は牛が食べれないため、私が牛を買っていたらその友達は食べれなかったでしょう。友達にご飯を作るときに、こんなに入れる材料に気を使ったのは初めてで、常識を超えた面白い出来事でした。

    その友達のおかげで、イスラム教をはじめ宗教に興味を持つようになりました。ムスリムの方といっても一言ではまとめられず、厳格な方から寛容な方もいること。別府で開かれたイスラームフェスティバルにも行き、中東に限らずインドネシアやマレーシアなどの東南アジアにも信者が多いことを知りました。イスラム教は多文化であり、国や地域によっても度合いが異なるんだと分かり、さらに関心を持つようになりました。大学では、バングラディシュウィークに参加したり、宗教に関する講義を受ける予定です。聖書であるコーランを読み切ることも今年の目標の一つにもなりました。

  • グローバル=誰もが平等に
    活躍できるということ?

    国際経営学部 4回生 佐藤 真陽

    高校生の時は、グローバル=誰もが平等に活躍できるという考えを持っていましたが、APUに入学し、勉強道具、服、時間、お金など学生生活に関わるもので資本が関係するものを平等にするのは難しいのではないかと疑問を持ちました。親からの仕送りでかなり裕福な大学生活を過ごす友人も、奨学金だけでは厳しく生活費をアルバイトで稼ぎながら勉強する友人とも学生生活を送る中で、自分の学生生活の何に価値をつけるかが大事だと思いました。

    上記を踏まえて、資本主義という仕組みが気になり、立命館のソーシャルインパクトファンドでのアルバイトをはじめ、さまざまな社会課題に取り組み、自分の価値や誰かの価値を生み出す人に興味を持ちました。

  • 外国の人は日本で
    暮らしやすいのかな?

    国際経営学部 4回生 内山 華

    私は入学してから、外国人(国際生)に対しての待遇の違いについて疑問を持つようになりました。日本ではバイトする際、日本人に対しては普通の口調で話す大人が多いのですが、外国人に対してはタメ口で雑に話すことが見受けられました。また、役所や郵便局などでは、日本人と外国人で手続きが違ったり、より複雑な場合があると感じました。

    私が日本人だからとか外国人だからといって、口調や言い方を変えるのではなく、人間に対しては平等に尊重する心を持って話すべきだと思い、そのような言い方にならないよう気をつけています。また、今後社会全体がこのようなギャップを埋められるよう、システムなどを整える必要があると感じました。