TEACHER'S COLUMN

「自分のこと」が、もっとよく判るようになる

LE Hoang Anh Thu 先生

アジア太平洋学部 / 文化人類学・民俗学

#エージング #ジェンダー #仏教

「何を考えているのか判りにくい」と感じる人が、身の回りに数人はいるのではないでしょうか。日本人同士でもそうなのですから、他国の人々と過ごすと、「判りにくい」場面がもっと増えるかもしれません。しかし、その人が生まれ育った地域の環境や文化を知れば、“ 判りやすい人” に変化するかもしれません。「文化人類学」は、人間についての学問。他者を理解すると同時に、他者の言動を自分に当てはめて検証することで、自分自身をより深く知ることがテーマです。

例えば、国民の多くが仏教徒であるベトナムの高齢者たちは、死への恐れや社会的な役割が失われる悲しみを、寺院での慈善活動などを通じて喜びに昇華させています。あなたの年代で高齢者の心の動き、しかも他国で起きていることを理解するのは難しいかもしれません。それでも、ベトナムの歴史や多民族国家ならではの文化・生活風習などを知れば、少しは納得がいくはずです。

文化・社会・メディアでの学びは、アジア太平洋学部の様々な学問ジャンルと結びつきながら、固定観念にとらわれない客観的な視野と、総合的に考える力を育みます。その力は、あなたが世界中のどこに行っても、必ずあなた自身を支えることになるでしょう。

ベトナム出身。2007年にGSAを卒業。2018年より立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部助教。2021 年より現職。学部生へのメッセージ:Perseverance ! 大学院生へのメッセージ:Writing is rewriting.