国際経営学部(APM)
教員の研究から理解するAPMの学び

中国やインドに代表されるように、大きく変貌するアジア太平洋地域のビジネス。
そのダイナミズムにふれ、新たなアプローチを行う研究が、APMでは繰り広げられています。

●主な担当科目/投資・証券分析、オペレーションズ・リサーチ、金融リスク管理研究
●研究領域・研究テーマ/リスクマネジメント、モデリング、ロジスティクス工学

銀行やクレジットカード会社といった金融機関におけるリスクマネジメントを研究しています。一般的に投資活動におけるリスクとは、期待される収益からどれだけの「ぶれ」が予想されるかを指します。企業の倒産または個人破産のようなリスクは確率により測られたりします。私は様々なリスクを数学や統計学の手法を使ってどのように測り、モデル化するかを研究しています。
従来こういった研究は、主に金融工学の分野や保険数学の分野で行われてきました。私の研究はこうした既存の手法に、過去のデータを使って統計学的にリスクを数量化する方法を加え、それぞれの成果を融合させることを目標としています。
いま世界の金融業界では、それぞれの金融機関が独自のリスクマネジメント基準を設け、それによって生じた損失に関して自己責任を持つという方向で国際的な規制が進められています。つまり各金融機関が確固たるリスクマネジメントを行うとともに、投資家もまた金融機関のリスクマネジメント指針を理解したうえで取引を決定する必要が生じてきていると言えます。こうした状況において、私の研究の進展は大きな意義を持っていると言えるでしょう。
こうした「実用的」な側面はもちろんのこと、現実の経済や金融の動きをモデル化する研究は、常に最適解が存在するわけでもない点も学問としての大きな魅力です。またこうした学びを通じて得た金融に関する知識と統計手法は、金融機関のみならずあらゆる企業に応用できるものです。
私自身も、国際的な金融機関での勤務を経て、リスクマネジメントに関するコンサルティングを行う会社を経営してきたという経歴があります。またAPMには、国際ビジネスの実務経験をお持ちの先生がたくさんいらっしゃいます。こうした「ビジネス現場」の経験に裏打ちされた学びができることが、APMの魅力の一つでしょう。さらに世界から集まった学生から各国・地域の経済や金融の事情、株価や為替の動きについて情報交換するといったことも日常的です。
こうした恵まれた環境のAPMで学んだ学生たちのネットワークは今世界へと広がっています。世界の経済発展を担い、それによって世界平和に寄与する国際ビジネスマンとなるためにぜひAPMで学んでいただきたいと考えています。

●主な担当科目/メディア論、マス・コミュニケーション論、Media Studies
●研究領域・研究テーマ/Algorithmic Culture, Newmedia and Political Violence, Video Games and Narrative

私はまず教育心理学を学び、そこから組織の心理学へ、さらには経済学と経営学の分野へと進んできました。ですから現在行っている私の研究の特色は、心理学と経営学を融合させた独自の視点にあります。
従来、 異文化でビジネスを展開する場合には、既に自国で成功した実績のあるビジネスモデルを持ち込むだけで成功を収められるものと考えられていました。 しかし、実際には企業文化や社員の意識といった心理的要因と、経営戦略やビジネスの仕組みの双方を取り入れなければうまく機能しないということ、特にグローバル化が進み、組織の構成員が多様になる中ではその点が非常に重要であるということがわかってきたのです。
たとえば最近著した研究書では、「文化」を心理学の立場から計量し、そこから経営戦略を分析するという手法を取り入れました。具体的には、タイとインドに進出した日本企業を取り上げ、経営トップへのインタビューと従業員へのアンケート調査から「日本の多国籍企業が本社からアジアの子会社にうまく組織文化を伝えているかどうか」を分析したのです。結果は、日本の企業文化の伝達度はタイの日系企業で85パーセント、インドの日系企業で74パーセントであること、そしてこの「文化の伝達度」が、異文化のもとでビジネスのノウハウを定着させて成功する上で非常に重要であることを明らかにしました。
このように、「文化を数量的に計測し、比較する」という研究はアジアでは従来なかったもので、私が初めて踏み込んだ領域です。つまり心理学の視点で見た「文化」と、経営学の視点で見た「戦略」を合体させたこと。そして両者の関係を証明したことが、私の研究の成果です。そう、「You can not manage, if you can't measure.」(量ることができなければ、マネジメントできない)という言葉が私のモットーであり、研究のテーマなのです。
数々の国・地域から学生、教員、職員が集まり、さまざまな組織、人間関係を「マネジメント」しているAPU。それぞれが自らの独自の文化を背負って入学し、やがては共通の「APU文化」を身につけて世界へと巣立って行くこの大学は、世界中を探しても見つからない「魔法の大学」です。ですからここは「組織と文化の関係」を研究する私にとってまさしく最高の環境ですし、学生のみなさんにとっても、サークル活動やゼミの運営などを通じて異文化コミュニケーションに基づくマネジメントを実践的に学べる貴重な体験の場であるといえるのです。




